鶴田静著『宮沢賢治の菜食思想』(晶文社 2013/6初版)のこれまでの書評をまとめました。
入手出来た分だけです。モレがありましたらお詫びいたします。
ご高読、ご購入、図書館リクエストのご参考にしていただけたら幸いです。
掲載紙誌、評者、ご紹介者に感謝申し上げます。
中野由貴氏評(宮沢賢治学会会員)
東京新聞 2013/7/14 読書 「記者の1冊」大日方公男氏評
日本農業新聞 2013/7/28 「読書」行友 弥氏評
産経新聞 2013.8.4 【書評】芝田勝茂氏評
「いのちと暮らしを見直す」
http://sankei.jp.msn.com/life/news/130804/bks13080408020001-n1.htm
「宮沢賢治の菜食思想」
賢治は大きい。童話作家としてだけでなく、詩人であり、教師であり、農業技術者、指導者であり、花時計の設計までやってのける。ストイックな生き方の中には、国粋的宗教団体「国柱会」の信者(満州国を建国した石原莞爾(かんじ)も会員だった)という一面もあり、なかなか一筋縄では語ることのできない芸術家である。その賢治は菜食主義者であった。驚くにはあたらないかもしれない。「雨ニモマケズ」には「一日ニ玄米四合ト 味噌(みそ)ト少シノ野菜ヲタベ」という一節がある。これぞまさしく、賢治の理想の食事であったのだ。 本書は、菜食主義そのものの思想や歴史とともに、宮沢賢治の「ベジタリアン」としての側面に光をあて、賢治における菜食思想について、綿密な考証や賢治の友人の子息からの聞き取りなどをもとに書き上げられた労作だ。1999年に出版された『ベジタリアン宮沢賢治』(晶文社)を、3・11の大震災・原発事故後、「何よりも命がだいじ」という著者の実感から再度増補改定したものである。
自身がベジタリアンでもある著者は賢治によりそい、その作品群を菜食主義の観点からひとつひとつていねいに読み解いていく。わたしのような、菜食主義からも賢治からも遠い人間にとっては、未知のことばかりだ。共感ももちろん多いが、首をかしげるところもある。だがそれは自分にはできないだろうなあ、という意味であり、けっして拒否や否定ではない。
著者は、この世界の「肉食」文化に絶望を感じながらも、果敢に、そして繰り返し、賢治とともに理想を求めていく。日本の復興を、経済の側面からしか考えない発想と、脱肉食、菜食すなわち自然そのものに立脚した考え方は、真っ向から対立している。政治スローガンではなく、われわれ自身のいのちや暮らしを、もういちど考え直してみよう。その機会は今しかない。そんなふうに語りかけている本だ。巻末には、岩手県花巻市の「賢治祭」での精進料理のレシピがいくつか載っていた。わたしもせめて、そのあたりから始めてみようか。
(晶文社・2310円)
評・芝田勝茂(作家)
東京(中日)新聞 夕刊 2013/8/6 「自著を語る」「清貧イメージ覆す新解釈」
http://www.tokyo-np.co.jp/article/book/jicho/list/CK2013080602000236.html
<サンデー毎日 2013年8月11日号より>SUNDAY LIBRARY:小林 照幸氏評 http://mainichi.jp/feature/news/20130730org00m040008000c.html
北海道新聞 2013/8/4
『女性のひろば』誌 2013年10月号 鶴田静自著
『カルナ』誌 2013/11月号
❁ 「週刊金曜日」第973号 2014年1・3合併号 「特集 食を哲学する」の記事中、
世古一穂氏5選の1冊。「生命、ここから始まる」
❁ 雑誌「Richer」2013年8月号。ブックディレクター幅允孝氏評「幅允孝のよく噛んで読みましょう」欄。
「今夜、あなたはどうしてお肉を食べる?」http://lmaga.jp/richer/
❁「街から」2013-8 no.125 「随想 賢治が実践した『生き方としての食』」自著 株式会社街から舎 http://www.machikara.net/
❁ 福音館書店「母の友」2013年9月号 BOOKS欄。 http://www.fukuinkan.co.jp/magadetails.php?goods_id=23100 … …
❁ クレヨンハウスの「月刊クーヨン」2013年9月号 BOOK REVIEW 「賢治が目指した本当の豊かさとは」
http://www.crayonhouse.co.jp/
❁小学館「サライ」) 2013年9月号。本のレビュー欄
❁「週刊東洋経済」誌 2013/10/5号
❁「チルチンびと」誌 2013年秋号 77
❁日本ベジタリアン協会 URL http://www.jpvs.org
Tweet