3月


©エドワード・レビソンン

野菜花壇から
野菜花壇では ブロッコリーやキャベツに小鳥たち、とくにヒヨドリが来て、つついている。それをガラス戸から見て開けると、すぐに逃げる。でもよく見ると、ブロッコリー の場合は、葉を食べていて、蕾は食べない。私たちは蕾を食べて葉は食べないのだから、おあいこだ。大根、人参、菜の花、春菊、サラダ菜が今が食べどき。
というわけで、ブロッコリーはそろそろ終わり。三月は菜の花が満開で、その葉がやわらかくおいしい。秋に蒔いておいたエンドウ豆の花がもう咲いていて、一 足早く、蝶々が舞っているよう。レタスはだんだん葉の茂りを厚くしている。そろそろノビルの球が大きくなっている。ふきのとうはとうに薹(とう)を立てて いる。これから蕗になる。

レタスの食べ方ーーサラダ以外に

1. お寿司ご飯や炒めご飯を葉に巻いて
2. 炒め物
3. スープ
 
 
©エドワード・レビソンン


中学生や高校生の皆さんへ。
ジュニア版ベジタリアンの文化誌 no.2

 命は、人間のも動植物のも地球のもすべての命が大切ですが、誰でも、自分の命がま ず大切だと思うでしょうね。自分が生きるために他の命を奪うのは心苦しいことではあっても、命を続けるためにはしかたのないことかもしれません。あるとこ ろに〃よだか〃という名の鳥がいました。本物の鷹に殺されそうになった時、羽虫やかぶと虫を食べて生きてきた自分を反省して、こう思ったんだって。 「あ あ、かぶと虫や、たくさんの羽虫が毎晩僕に殺される。そしてそのただ一つの僕がこんどは鷹に殺される。それがこんなにつらいのだ。ああ、つらい、つらい。 僕はもう虫を食べないで飢えて死のう。いやその前にもう鷹が僕を殺すだろう。いや、その前に、僕は遠くの遠くの空の向こうにいってしまおう。」そしてよだ かは星になってしまうのです。これは宮沢賢治の『よだかの星』というお話。 生き延びるために他の命を食べ、食べたものが次のものの命となる、これは「食 物連鎖」と呼ばれます。自然界では、この連鎖によって多数の命が生き延びています。植物を食べる私たち人間もその輪の中にあるのだから、やっぱり私たちの 食べ物となるものに感謝して大切にしなければね。 でもこの世の中には、まったく食物を得られない人々もいます。それは、〃第三世界〃と呼ばれる国々、ア ジアやアフリカの発展途上国の人々です。砂漠化した大地に作物が育たない、戦争によって食物がなくなる、自分のためでなく外国に輸出するために食物を生産 しなくてはならない、などの理由です。この地域の人々の主食はだいたいが穀物なのだけれど、その穀物は、先進国といわれる国々に輸出されて肉にされる家畜 の飼料となります。つまり肉を食べることは、人々の大切な穀物を奪っていることになるんですね。それに、一人分の肉を作るためには約十人分の穀物を家畜に 食べさせなければならないといわれるから、一人の肉食は、十人の人を犠牲にしているということになるのです。ずいぶん不公平だよね。 
あなたたちが生まれる前、アフリカやバングラデシュなどで飢餓飢饉が起こったとき、 大勢の人が肉を食べなくなりました。穀物を肉に使うのでなく、そのような国の人たちに分け与えようということからでした。元ビートルズのベジタリアン、 ジョージ・ハリスンは積極的にバングラデシュの飢餓を支援しました。 
よく、肉を食べずに穀類や豆を食べよう、土地を、肉にする家畜の牧場にするのでな く、穀物や野菜を栽培する畑にしよう、と提案されます。アメリカで大豆やお豆腐が注目されるのも、大豆加工食品は豊富な蛋白質食品であり、おいしくて健康 によくて安いことと、穀物や豆類は肉の十倍の人々を養える、という理由からです。植物性食品を食べると、自分の命だけでなく他人の命も救うことができると いうことなのですね。それは食物や命を、地球規模で平等になるように〃分かち合う〃ことなのです。

大人の方は「ベジタリアンの文化誌」や「ベジタリア ンの世界」、「ベジタリアン宮沢賢治」を読んで下さい。本のページへどうぞ。
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