ソローヒルから


   

ソローヒル・ガーデンにて

タチアオイの群生は見事でした。今は 7分ほど枯れて減っています。けれども若い苗は少しずつ花を開き続けています。
ユリの花壇の30本くらいのうち、半 分が咲いてなくなりました。残りのオニユリ、カサブランカ、マルコポーロなどはこれからです。藪蔭のヤマユリはまだまだ蕾は堅いのです。
そしてグラ ジオラス、アガパンサス、擬宝珠、クチナシ、あじさいが満開です。
クリスマスコーナーのテッポウユリとホスタも花を咲かせ、樅の木と一緒に美しい。


   
さて、6月は、春の花が終わり、夏の 花に変わるときで、その入れ替わりが
なかなか調子よく行かなかった。暑くなり、蒸して、虫が多く発生し、一生懸命に手入れを続けました。
そ んな中、某テレビ局の取材があり、どうにか撮影終了。本格的に詳細が決まれば、お知らせします。お楽しみに。
キョウチクトウが咲き始め、これからムクゲが 咲き始めます。例年より増えた姫檜扇水仙が盛っています。ソローヒルは梅雨をそのままにもう夏姿です。

 今 年も忘れずにツバメたちが戻ってきた。二階の軒下の10件ほ どのアパートに

多 数の子どもたちの顔が巣からのぞくのももうすぐだ。今は親たちが優雅に

庭 の上を舞っている。時々地面に降りてきて、虫や種をついばんでいる。

ほ かの種のトリたちも混じって、さえずりを競い合い、おおにぎわい。


          



6/29日、ついに5羽の雛が飛 び立ちました。2,3日の間、デッキの上を家族揃ってぐるぐる飛び回り、出発に備えて飛ぶ練習をしました。そして、椅子の背にみんな並んで エドに記念撮影をしてもらい、それから巣立ちました。
又来年もいらっしゃいね。
そして2日後、もうツバメは戻ってこないと確信した私は、ツバメたちの残した汚物の清掃をしました。デッキの隅と壁やガラス戸に沢山ついていたのです。雑 巾をもって一息ついていました。
突然、沢山の数のツバメがやってきて、デッキの上をぐるぐる旋回しました。私にお礼を言っているのです。もう一度、「元気でね。来年またあいましょう!」

7月の野の花
「姫檜扇水仙」

   

     

  たおやかな長い花の枝が、緑色の風の中でそよぐ。するとオレンジ色の光が、長い葉の間で木洩れ日のように揺れる。ヒメヒオウギズイセンの花はそれほど大き くなく、その形も清楚だ。そう、その名の通りお姫様のよう(花の名の姫は小さいことを表す)。けれどもその内に隠された闘志は、太陽よりも濃い緋色から明 らかになる。燃えるようなその色は、輝く夏の太陽と競い合っているのだ。
  始めてこの花と出会った時、春に咲くフリージアとそっくりな緋色の花に、私は夏のフリージアかと思った。同じアヤメ科で同じ外来種だからそうも言えるで しょう。
でも、このヒメヒオウギズイセンは、栽培種としては人のいいなりにはならず、自分で勝手にどんどん増えてき、半自生化する。帰化植物の常でとても強い。な んとかこの地に根づき、仲間を増やし……という意思が感じられる。そしてそれは成功したようだ。庭から出て、道端にも草むらにも咲いていて、行く人の目を 引いている。

  人の注目を浴びるのが目的ではないにしても、ヒメヒオウギズイセンの花のチャレンジ精神には学ぶものがあると思う。花を見るといつも、安らかさや静けさや 愛情を感じるのだけれど、この花のように、闘志をもつことも大切、と教えてくれる花も喜ばしい。疲れた心で見ていると、「よし、やるぞ!」などと奮起する 気持ちが湧いてくるもの。これもまた花の持つ力なのですね。
  と、感謝しつつ、今度は何の邪念ももたずにこの花を見つめた。すると花から、凛とした美しい女性(姫)を作る、美のエッセンスがあふれ出ているのだった。