ソローヒルから
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寺田太郎作
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11月
落葉樹の枝先が空の中で震えている。くさぐさも茶色に変わった。いよいよ冬
だなあ、と覚悟をする。すでに薪ス
トーブを使い出している。薪は1年分を確保してある。そしてまた、どこかの建築現場から切り出された木々が運び込まれた。ありがたいことだ。
いろいろな課題がある中で、最近、ウッドデッキを緑化しようと考えている。まず、いただいたシダ類を大きな長方形の鉢4つに分けて入れ、並べたら、よく映
える。デッキにはだんだんに鉢が増えるだろう。
井戸水と雨水は涸れている。もう一つ井戸を掘らなければならないかもしれない。
毎日カラスがやってきて柿を食べたので、あの鈴なりだった柿は一つしか残っていず。次の果物はキンカンとミカンだ。今年は鳥たちよりも早くキンカンを収穫
しよう。
10月
ようやく秋らしくなり、9月から10月にかけて秋の長雨になった。30畳分
のウッドデッキのペンキ塗り替えが、
どうにか間に合った。勢いよく雨を跳ね返しているので頼もしい。けれどそれは、デッキに水溜まりが出来ると言うこと。雨後の清掃が大変だ。しかし、ここに
座ってみる雄大な景色のご褒美がもらえるのだ。
秋の庭仕事がたくさん待っている。夏の名残を片付け、土を耕し、苗や種や球根と入れ替える。
トビーです!
© Edward Levinson
ついに蝉の声が消え、虫の音と、カラスの柿争いの叫び声がやかましい。カラスを追い払うのはトビーだ。飛べないので、空に向かって吠えるだけだが。
朝夕の涼しさと、日の暮れの早さにわびしくなる。これから薪ストーブを使うのが楽しみでもあり、なんて労力のいることよ、とため息も出る。
月が冴え冴えとして美しい。
30年以上前に、西荻窪のジャムハウスの岡本氏がくれた喫茶店のドア。小平の家の玄関に付けて、鴨川の農家の玄関ドアにして、ようやく最近、外してここに
もってきた。手入れをして、寝室の廊下側のドアにする。今時こんな美しい、手の込んだドアは滅多に手に入らないだろう。と思われる木のドア。四角い桟が細かく付いている。ガラスは割れずにきた。これからもずっと私たちとともにある。
© Edward Levinson
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9月
からからに乾きひび割れていた地面が、
八月末の多雨でみずみずしく蘇った。この期を逃さないよう、種蒔きや球根の植え付けを開始。
植物と同様、家にも再生の時期が巡ってきたようで、
エドとあちこちに手を入れた。第二期工事中だ。
それに10数年間使ってきた家電などがそろそろ寿命。いちどきに買い換えなくてはならなくなった。私たちの使う物はほとんどが使い回しの物やもらい物また
はアンティーク。新品は少ない。今度はこれが最後、とばかりに、長く保つもの、エコ仕
様を求めよう。
© Edward Levinson
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